神にまでなった天才が神のために詠んだ和歌はやっぱりすごい【菅原道真】

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こんにちは、わさびです。


だんだんと秋が近づいて来ましたね。


という事で、今日も百人一首の歌について取り上げてみたいと思います。


何故なら


私には、前回の崇徳院の和歌と同じくらい超お気に入りの是非とも語りたい紅葉の和歌があるからです。(//∇//) 完全自分主義


その歌がこちら


このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山(たむけやま) 紅葉の錦 神のまにまに


言葉の全部が美しいですよね。


正直、この和歌は一旦忘れてしまっていたんですが、10年ほど前に再び見つけて、改めて素晴らしさが分かった歌です。


この和歌を詠んだのは、学問の神様でお馴染みの菅原道真(菅家)です。


ただ、今は学問の神様ですが、菅原道真も神様になる前は崇徳上皇と同じく怨霊だったみたいです。


なかなか複雑な経歴の方ですよね。(笑)


さて、この美しい紅葉の和歌ですが、美しいだけではなく、さすがは天才と唸るほどの仕掛けがさまざまになされています。


という事で、ここから暫くは、神にまで上り詰めた天才の技をどうぞご堪能下さい。

 

現代語訳

このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山(たむけやま) 紅葉の錦 神のまにまに


【このたびは】
「度」と「旅」が掛けられています。


【幣(ぬさ)】
紙や布で作った神様への捧げ物の事。↓これ。

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【取りあへず】
「取り揃える時間がなくて」とする説と「相手にならない。紅葉が美しすぎて持参した幣が捧げ物にならない」とする説があります。


【手向山】
これも「手向山」と「(神に)手向ける」が掛けられています。


【紅葉の錦】
錦のような鮮やかで美しい紅葉。


【神のまにまに】
御心のままに。「まにまに」は〜するままにの意味。


繋げると以下の意味になります。


【現代語訳①】
今度の旅は急いでおりましたので、幣をご用意する時間もありませんでした。この手向山の美しい紅葉をお捧げしたいと思いますので、御心のままにお受け取り下さい。


現代語訳でも少し分かりにくいんですが…


とりあえず、この和歌は道真が宇多上皇の旅に同行した時の歌だそうです。
途中で立ち寄った道祖神に道真が詠んだ歌とされています。


ただ、私がこの意訳で少し不自然に感じるのは、宇多上皇の旅で、しかも道真ほどの人物が一行にいて、神様に捧げる幣を用意していない(忘れてしまった)というところです。


本当かなぁと思ってしまいますよね。


和歌なんだからそんなに細かいところまで気にしなくても良いよ、と言われるかも知れませんが…


やっぱり気になります。(`・ω・´)


しかし


天才とは、そんな違和感をもちゃんと取り除いてくれる存在なのです。


【現代語訳②】
今度の旅でこちらの幣をお捧げしたいと思っておりましたが、手向山の美しい紅葉を前にしては捧げ物になりませんでした。この手向山の紅葉を御心のままにお受け取り下さい。


なるほど、ただただ脱帽です。


響きだけでも美しいのに、ひとつの隙もありません。


さすがは神。


完璧です!!


今年の紅葉も神様に捧げられるくらい美しく染まると良いですね。

 


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